大腸の内視鏡検査に付いて

検査目的

大腸の中を内視鏡で観察し、これらの場所にできる病気をみつけ、適切な治療方針をたてるために行います。

正常な大腸の解剖

検査方法

【1】内視鏡の太さは人差し指程度の太さです。注射により大腸の動きを止めて検査を行います。
【2】内視鏡を肛門から挿入して、大腸をまんべんなく観察します。盲腸到達まで通常15~20分程度ですが、大腸が長い場合・憩室が多発している場合・大腸に癒着がある場合・大腸の中がきれいになっていない場合などでは検査が難しいこともあり、挿入に長時間を要したり、痛みを伴うこともあります。
【3】痛みが強い場合は穿孔の危険があるため回盲部まで到達していなくても検査を終了することがあります。
【4】また必要に応じて組織を少し採取(生検)して顕微鏡で調べることによりさらに正確な診断が行えます(病理組織学検査)。生検に痛みを伴うことはありません。

検査前日および当日の注意事項

【1】検査前日には、繊維質の少ない食事にして下さい(海草、こんにゃく、野菜、種のある果物は食べないで下さい)。
【2】夕食後水分を多めに摂取して頂き、就寝前に下剤を飲んでください。当日は食事を摂らないで下さい。
【3】心臓・血圧・喘息等の薬や、精神科の薬は起床時に内服して下さい。水・お茶・固形物のないジュースは飲んでもかまいません
【4】検査は1日かかります。この日は用事を入れないで下さい。
【5】鎮静剤の効果は人により異なりますが、半日ほど眠気やフラフラ感が残ることがあります。帰宅時の事故防止のため検査当日は御自分では車やバイクの運転をしないで下さい(同伴者をお願いするか、公共交通機関をご利用ください)。
【6】また内視鏡の挿入が困難な場合、医師の判断により検査を大腸レントゲン検査に変更する場合があります。
 

検査後の注意事項

絶食による空腹、腸内に空気を入れての観察、検査で使用する薬剤の影響などにより、ふらつき等が生じる事があります。特に御年配の方は、出来れば帰りにどなたか1名付き添いをお願い致します。帰宅後は普通通りでかまいませんが、なるべく無理をせずお過ごし下さい。

併発症について

組織検査やポリープ切除後などでは、ごく稀に出血、穿孔等の併発症を起こすことがあります。万が一合併症が起きた場合、入院や緊急の処置が必要になることがあります。
大腸内視鏡検査の偶発症の頻度は1998年~2002年の5年間の全国集計では0.069%(1449人にひとり)と報告されています。

ポリープ切除について

ポリープや癌がある場合、周囲の正常粘膜を含め病変を内視鏡的に切除(ポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術)することがあります。ポリープ切除後当日は入院して頂き、点滴を行います。翌日に血の検査、お腹の診察を行い問題がなければ、昼食をとって頂き、問題なく食べれるのを確認した後、退院となります。ポリープ切除後は出血の可能性があるので、2週間ほどは力仕事、長時間の運転、旅行、出張、スポーツ、飲酒、喫煙は禁止となります。

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