口、または鼻から細いスコープ(胃カメラ)を挿入し、食道・胃・十二指腸の中を観察してこれらの場所にできる病気をみつけ、適切な治療方針をたてるために行います。 検査時に疑わしい病変があれば、生検(組織を採取して行う病理検査)を行い、確定診断を行う事が可能です。
胃カメラには口から挿入する経口内視鏡検検査と、鼻から挿入する経鼻検査があり、当院では患者様の苦痛が少ない細経(5.5mm)の経鼻内視鏡と、従来の経口内視鏡を揃えています。
経鼻内視鏡は従来の内視鏡の約半分の細さの約5mmと大幅な細経化を現実としています。スコープが舌の付け根を通らないので、嘔吐感をほとんど感じず検査を受けることができます。検査中も、画面を見ながらの会話が可能なので、質問したいときは自由に医師と話ができます。
しかし、通常のスコープに比べて細いので画質がやや劣ります。また検査中のスコープから空気を送ったり、胃液などを吸い込む時間が通常の内視鏡より時間がかかります。 患者様の検査内容、ご希望によりそれぞれ使い分けています。
当院では、細経の経鼻内視鏡を導入しています。
経口で胃カメラをする場合、検査前に十分に咽頭の局所麻酔を行いますが、スコープが舌の付け根を圧迫して嘔吐反射が起きる場合があります。そんな方のために、ご希望の方には鎮静剤の注射を用いて軽くウトウトした状態で検査を受けることができます。
鎮静剤を使用した方は、検査後、1時間ほど院内で状態を観察して問題がないことを確認してからの帰宅となります。 鎮静剤を使った方は、検査後は終日、車やバイク、自転車の運転は禁止されています(道路交通法第66条)。送迎、バス・電車などの公共交通機関をご利用下さい。
当院の院長は日本消消化器内視鏡学会専門医の資格を持っており、的確な検査を行う事ができます。
院内感染予防のため、消化器内学会の推奨する高水準消毒薬(フラタール消毒薬)を用いた内視鏡洗浄機を使用し、日本内視鏡技師会(JGETS)ガイドラインに沿った厳重な洗浄・消毒を行っていますので、安心して検査、治療をうけていただけます。
患者様の感染を防ぎ、安心して検査を受けていただくために、生検鉗子(組織を採取する器具)、スネア(ポリープ切除器具)、粘膜の局所注射器具等はディスポーザブル(使い捨て)器具を用い、検査ごとに新しい器具を使用しています。
ディスポーザブル器具を使用するとコストがかかりますが、これらは当院が負担させていただき、患者様に余分な費用を請求することはありません。
胃カメラ、大腸カメラではそれぞれ前日からの食事制限が必要です。 当院では遠方から検査を受けにみえる方も多いため、患者様の負担を減らす目的で胃カメラ、大腸カメラの両方を1日で受けることも可能です。ご希望の方はご相談下さい。
当院では、患者様に安心して検査を受けていただくため、事前診察をお願いしています。問診、診察を行い、検査の説明や検査事前の注意事項をおつたえします。血液サラサラの薬(抗凝固薬、抗血小板薬等)の内服の有無を確認したいのでお薬手帳をご持参ください。
検査前日は、夕食と常用している薬剤の服用は午後9時頃までに済ませて、それ以降は禁食して下さい。※水やお茶は飲んでもかまいません。
朝御飯は食べないで下さい。※検査時間まで水は飲んでもかまいません。※心臓・血圧・喘息の薬や精神科の薬などの重要な薬は服用してください。検査終了まで禁煙として下さい。
検査時間の30分前までにおこし下さい。検査着に着替えます。胃の中を見やすくする水薬を飲んでから、のど・鼻をゼリー状の麻酔薬で麻酔します。鎮静剤をご希望の方は、腕より点滴を行います。
ファイバー(小指程度の太さ)を口または鼻から挿入して、上部消化管をまんべんなく観察します。通常、検査は5~10分ほどで終了します。必要に応じて組織を少し採取(生検)して顕微鏡で調べることによりさらに正確な診断が行えます(病理組織学検査)。生検に痛みを伴うことはありません。
鎮静剤を使用しなかった方 …… 着替えた後、検査結果を説明し帰宅となります。
鎮静剤を使用した方 …… 1時間ほど院内で状態を観察して、問題がないことを確認してから帰宅となります。検査終了の1時間後より飲食可能です。※鎮静剤を使った方は、検査後は終日、車、バイク、自転車の運転は禁止されています(道路交通法第66条)。送迎か、バス・電車などの公共交通機関をご利用下さい。
生検を行った方の結果は、約1週間~10日ほどでわかります。次回の外来で説明させて頂きます。
検査中、出血や穿孔などの偶発症が生じた場合は、緊急の処置や手術等が必要となることがあります。(偶発症とは、医療上の検査や治療に伴い、 偶然に起こった症候あるいは事象のこと。)上部消化管内視鏡検査の偶発症の頻度は0.027%(3704人に1人)、死亡率は0.00045%(222222人に1人)と報告されています。 当院では偶発症予防のために十分な注意を払うとともに、偶発症が生じた場合には最善の処置をいたします。
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1割負担の方
3割負担の方
胃カメラ(検査のみ)
約2,000円
約6,000円
胃カメラ(生検を含む)
約3,000円~4,000円
約8,000円~12,000円
※上記費用はあくまで概算です。診察内容、使用する薬剤等によって変動します。